年頭挨拶
 
三重県森林組合連合会
代表理事会長 青木 民夫



謹んで新年のお慶びを申し上げます



日頃から皆様には、本会の運営につきまして、格別のご支援、ご協力をいただいておりますこと、心より厚くお礼申し上げます。

 

 さて、昨年を振り返ってみますと、日本選手の活躍に沸いたロンドンオリンピック、山中教授のノーベル賞獲得などの明るい話題があった一方、尖閣、竹島の領土問題で中国、韓国との関係悪化や一昨年から続く円高基調により、日本経済は厳しい状況におかれました。

更に政治的には、年末に行われた衆議院総選挙により3年3ヶ月ぶりに民主党から自民党への政権交代が行われるなど激動の一年でありました。

 

 一方、森林・林業界を見ますと、本年から『森林経営計画制度』が本格的に施行され、搬出間伐が本格的に稼働しつつありますが、被災地復興の遅れなどから期待された木材利用には至りませんでした。

特に国内経済の低迷から新規住宅着工数も伸び悩み、大型合板工場では製品の滞留が起こり、原木の出荷制限や価格の低下が行われ、厳しい一年でありました。

 

 こうした状況の中、本県において設置された「森林づくりに関する税検討委員会」において、様々な議論の中から「災害に強い森林づくり」のために『新たな税の導入が適当である』との報告がなされ、これを受けて平成24年9月には鈴木三重県知事より「みえ緑と森のきずな税(仮称)」の導入を目指すことの表明もあり、明るい兆しとなっています。

また本年早々には、第2次安倍内閣の下で抜本的な経済対策が打ち出され、政権交替によるデフレ経済からの脱却に向けて、平成24年度の大型補正予算と新年度予算が相次いで編成されることとなり、経済再生の加速化に向けた取組みが行われようとしています。

また、民間需要においては、平成26年4月の消費税率引き上げ前の駆け込み需要で、新規住宅関連で10%以上の伸びが見込まれるなど官民上げての取組みが進み、森林・林業界にも大きな期待となっているところです。

 

さらに、本県でも木質バイオマスを利用した発電事業について昨年11月に発電事業の促進を目的とした新しい組織が立ち上がり、未利用間伐材活用に期待がかかっています。

 

最後になりますが、今後も会員の皆様と協力して森林・林業の担い手として、組合員の森林管理はもちろんのこと山村社会の発展にも取り組んで参りますので、皆様のご指導、ご協力をお願いいたしますとともに、皆様のご多幸とご健勝をお祈り申し上げて、新年のご挨拶とさせていただきます。

 





 年頭挨拶


全国森林組合連合会
代表理事会長 佐藤 重芳

謹んで新年のお慶びを申し上げます。

 皆様方には常日頃から森林組合系統活動に特段のご支援、ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。

 一昨年の東日本大震災と原子力発電所事故から一年十ヵ月が経過しようとしています。被災地での復興へ向けたご腐心にも拘らず、国政の混迷もあり残念ながら復興は道半ばの状況です。森林組合系統では、犠牲者の方々の遺した思いの上に築いていく新たな国造りの一助となるよう、復興木材の供給等山側からできる復興支援に引き続き取り組んでまいります。

昨年は国連「国際協同組合年」であり、森林組合系統では十月に「JForest国際協同組合年記念大会」を開催いたしました。この大会は、森林組合系統が山村地域社会に根差した協同組合として、持続可能な社会を目指し協同組合間連携を強化しながら地域組織、政府・地方自治体との協働を促進し、地域経済・山村社会のリーダーとしての役割を担っていくことを誓う意義あるものとなりました。

森林組合系統では、平成二十三年度から『国産材の利用拡大と森林・林業再生運動』に取組み、政府の「森林・林業再生プラン」とも歩調を合わせながら、十年後に民有林森林整備の七割以上、国産材供給量の五割以上を担うことを目標に、提案型施業集約化施業や低コスト化を図りながら国産材安定供給の為の基盤づくりなどを進めているところです。

 しかしながら、昨年来の丸太価格の暴落によりこの実践が困難を伴うものとなっています。かつて経験したことのない下落幅と価格水準により組合員の暮らしや組合経営は大変な打撃を受けております。また、原発事故による放射能汚染問題も森林経営や就業、森林除染など風評被害を含め深刻なものとなっています。

また、環太平洋経済連携協定への交渉参加問題が国論を二分しています。我が国の林業関係者は、関税撤廃による影響を身をもって経験しており、森林組合系統は、交渉参加に断固反対の立場です。我が国の第一次産業全体が同じ轍を踏むことになれば、山村地域社会の崩壊は避けられず、森林が国民に提供してきた公益的機能の維持も困難になるのではないかと懸念しています。

一方で、公共建築物木材利用促進法や再生可能エネルギーの固定価格買取制度等国産材の利用拡大に向けた制度が整えられてきました。森林組合系統では、これを実需拡大の好機と捉えており積極的な展開を行ってまいります。

また、木材価格問題についても全森連内にプロジェクトチームを立ち上げており、森林組合系統の全国ネットワークを活かした「量の力」により国産材価格の安定化と競争力の強化を図り、持続可能な立木価格が実現できるよう鋭意検討を進めております。

本年は、森林組合系統が抱えてきた懸案の解決に道筋が付けられるよう全力を挙げて取組んでいく考えであります。

結びになりますが、本年が皆様方にとり良い一年となりますようご祈念申し上げますとともに、森林組合系統の飛躍の年となりますよう皆様の一層のご支援、ご協力をお願いし、新年のご挨拶といたします。




 JForest国際協同組合年記念大会開催





JForest国際協同組合年記念大会が、去る10月25日、東京・明治神宮会館において、「手をつなごう、協同組合の仲間たち―持続可能な社会をめざして―」をテーマに開催されました。当日は、全国の森林組合関係者等約1100人が参加し、下記のとおり、大会宣言がされました。

 

 大会宣言(全文)

 国連は、協同組合が貧困削減・仕事の創出・社会的統合に果たす役割に着目し、協同組合の認知度を高め発展を促すため、2012年を国際協同組合年として定めました。本年6月にブラジルで開催された「持続可能な開発会議(リオ+20)」においても、参加国が署名した成果文書『私達が望む未来』の中で、持続可能な開発における協同組合の重要性を述べています。

 我が国においては、東日本大震災を契機とした支援の輪の広がりから共助・協同への関心が高まり、協同組合運動の原点である相互扶助の必要性が再認識されています。

 

 JForest森林組合は、森林法での制度創設以来、地域林業の協業化に取り組むとともに作業班の組織化と木材・林産物の系統共販体制を築いてきました。今日、民有林森林整備の5割以上、国産材供給の4割を担うなど、森林整備・保全、林業技術者の育成、木材供給において中心的な役割を果たし、これら活動を通じて、地球温暖化の防止、国土の保全、水源の涵養、生物多様性の保全など国民の安全・安心や地域経済の活性化に寄与しています。

 

 こうした私達の活動の成果は、今後ますます重視され拡大されるべきであり、その役割を果たすために一層の組織強化が必要となっています。JForest森林組合は、山村地域社会に根差した協同組合として、持続可能な社会をめざして協同組合の仲間たちと手をつなぎ、地域組織、政府・地方自治体との協働を促進し、地域経済・山村社会のリーダーとしての協同組合の役割を担っていくことを、ここに宣言します。

 

また、本県では、12名の方が表彰を受けられることとなりましたので、ご紹介させていただきます。



T 功労者表彰

 単位組合職員 5名(全国164名)

 中勢森林組合 山田 史

 松阪飯南森林組合 角屋 初代

 松阪飯南森林組合 木下 美智子

 宮川森林組合 楢井 美江

 三重くまの森林組合 前田 亘也

 

 作業班員等 7名(全国265名)

 中勢森林組合 川井 学

 中勢森林組合 西川 寛行

 中勢森林組合 福地 智史

 松阪飯南森林組合 橋爪 慎一

 宮川森林組合 菅 仁

 いせしま森林組合 井内 徹

 いせしま森林組合 東 直貴








 平成24年度 三重県山行苗木標準価格表
    平成24年12月5日
樹 種  苗 令   規 格 生産者
価格
( 円 )
造林者
価格
( 円 )
 呼 称 長さ
( p )
根元径
( o )
   スギ    30〜44  5.5 87 93
 特大 45〜60    92  98
     35〜44  101  107
 45〜65  104  110
   ヒノキ    30〜44  5.5  87  93
 特大  45〜60    92  98
  35〜44   101  107
   45〜65    104  110
 アカマツ
クロマツ
   20〜24    55  61
25〜30  7  67  73
 クヌギ  1以上    40上  5  95  101
コナラ 1以上  ―  40上    95  101

( 注1 ) 実生苗木価格( 消費税含む )
( 注2 ) 生産者価格は生産者庭先渡し価格( ライフパックは実費 )
( 注3 ) 造林者価格は梱包費含む最寄り道路端渡し価格





 今後の行事予定について



1/302/1 森林施業プランナー育成研修

                             (松阪飯南森林組合 会議室)

3/68  地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技能講習

              (ウッドピア松阪「スマッキ―」)

3/1819 はい作業主任者技能講習

        (ウッドピア松阪「スマッキ―」)