三重県森林組合連合会では、平成27年7月23日及び10月7日に「みえの森林ツアー」を開催しました。
森林ツアーでは、木造住宅に使われる木材が、「どのようにして育ち、伐採され、販売・流通しているか」を、実際の伐採や搬出中の現場、及び県内各地の木材市場で開催される市売りを見学することによって、多くの方々に実感していただくことを目的に開催しました。
7月23日(第1回目)は、美杉木材市場の市売りを見学し、午後から、地元の中勢森林組合が行っている、津市美杉町上多気地内の山林作業現場の見学をしました。 また、10月7日(第4回目。予定していた第2回、第3回は台風のため中止)は、ウッドピア松阪市売協同組合の木材まつりを見学し、午後からは、地元の松阪飯南森林組合が行っている、松阪市飯高町青田地内の山林作業現場の見学をしました。
林業・木材産業になじみのない方の参加がほとんどで、「木材価格はこんなに安いのか」、「木を搬出するのにこんなに労力と費用が掛かるとは知らなった」、「住宅の材料がここまで機械化され、製造されているとは知らなかった」など様々な意見があり、林業・木材産業の一端について理解
しかし、こういった意見が出るということは、林業・木材産業の抱える問題が、一般の方に対して、いかに浸透していないかということであり、一般の方に広く理解し、かつ支援いただくための情報発信に力を入れていく必要があることを痛感したツアーとなりました。
今後こういった林業・木材産業等の活動を知っていただくための企画を行う際は、今回実施しきれなかった、手入れの不足している山林と、実際に起こった土砂災害現場の視察をとおして、森林整備の重要性について理解していただくとともに、木材加工施設やバイオマス発電所など県内の需要先の見学、木造住宅の建前・新築見学会などを通じ、より多くの方に、木材の積極的な利用、木材販路の開拓が、喫緊の課題であることを少しでも理解していただき、ご支援がいただけるよう取り組んでいきたいと思います。
平成27年10月20日、静岡県コンベンションアーツセンター「グランシップ」において開催された、第52回全国林材業労働災害防止大会に出席しました。
大会は、全国各地より1,022人の参加があり、盛大に催されました。
平成27年10月24日に、県営鈴鹿青少年の森において、三重県主催でみえ森林フェスタ&まるごと自然体験フェスティバルが開催されました。
その中のイベントとして、本会、三重県、三重県農林水産支援センター、三重県林業技術普及協会、林業・木材製造業労働災害防止協会三重県支部で構成された「みえチェンソー技術競技大会実行委員会」の主催による、「第1回みえチェンソー技術競技大会」を開催しました。
県内から森林組合及び林業事業体8チームの参加をいただき、丸太合せ切り、輪切りリレー、枝払いの3競技を行いました。
当日は、鈴木英敬知事の視察もいただき、汗ばむ陽気の中、白熱したバトルが展開され、栄えある第1回の優勝チームは、大紀森林組合となり、来年青森県で開催される日本伐木チャンピオンシップ(チェンソー大会の全国大会)の三重県代表として出場していただくことになりました。
また、大会終了後には、三重県出身のプロカーバーである、松田玲氏にチェンソーアートの披露をしていただきました。
なお、入賞チームは、次のとおりです。
優勝 大紀森林組合 総合得点 501点
2位 中勢森林組合 総合得点 393点
3位 三重くまの森林組合 総合得点 368点
平成27年10月28日に、東京都の日比谷公会堂において、全国森林組合が開催されました。
全国各地より約1,000人の参加があり、うち本県からは21名が参加しました。
今年は、5年に1度の次期森林組合系統運動方針の策定の年にあたり、以下の方針について決議し、満場一致で可決されました。
大会決議
大規模な自然災害が多発しており、地球温暖化防止や国土保全等多面的な機能を有する森林に対する国民の関心はますます高まっている。
立木価格の長期低迷等から林業生産活動は停滞し、間伐等が適切に実施されていない箇所や造林放棄地も見られ、高齢化の進行、後継者不足、境界問題等難題が山積しているが、今こそ、155万組合員が協同の力を結集するときである。
森林組合系統は、これまで培ってきた信頼と実績を携え、「施業の集約化と先進技術の活用等による効率的な事業基盤の整備」、「系統のスケールメリットを活かした国産材安定供給体制の構築」、「組合員・社会に信頼される開かれた組織づくり」に全力で取り組み、林業の発展に寄与すべく、下記事項の実現に系統を挙げて邁進するものである。
記
1.林業の成長産業の実現による組合員の所得向上
2.森林組合系統運動の着実な実行
3.森林吸収源対策等に必要な国・地方の安定財源の確保
4.主伐・再造林の推進と‘ウッドファースト社会’の実現による日本林業の復活
5.平成28年度林業予算の確保と次世代林業基盤づくり交付金の実現
6.緑の雇用事業、森林施業プランナー育成対策事業による人材の確保・育成
7.森林保険の一斉加入の促進
8.TPP協定発効にかかる国内林業対策の強化
以上、決議する。
また、経営内容が特に優秀で、他の組合の模範となる優良組合及び、永年にわたる功績のある職員・作業班員に対して表彰があり、本県において、1組合及び職員・作業班員7名が表彰されましたので、ご紹介します。(敬称略)
T優良組合表彰(全国40団体)
大紀森林組合
U功労者表彰(永年勤続)
■森林組合職員 1名(全国164名)
いせしま森林組合 神森 京子
■作業班員等 6名(全国309名)
中勢森林組合 奥田 司
中勢森林組合 西俣 久幸
宮川森林組合 阪口 博昭
宮川森林組合 小掠 俊哉
いせしま森林組合 桂 清文
いせしま森林組合 田中 正美